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クッション言葉の使い方 ― 依頼するとき(1)
クッション言葉の用例として、今回は、「○○してほしい」と依頼するときのパターンを考えたいと思います。
まずは、電話を保留にする前に言う「少々お待ちくださいませ」にクッション言葉をつけてみます。
→「恐れ入りますが、少々お待ちくださいませ」
このように、相手を待たせるときは「恐れ入りますが」をつけるのが日本語として正しいといえます。
「申し訳ございませんが」もよいでしょう。
しかし、正しいからというよりは、
「待たせるのは悪いと思うけれど、待ってほしいのでどうぞよろしく」
という気持ちを伝えることが大切です。
そこで、クッション言葉を加えることにプラスして、語尾も変えてみます。
→ 「恐れ入りますが、少々お待ちいただけますでしょうか」
語尾を、「~していただけますか」「~してくださいますか」「~していただけますでしょうか」「~していただいてもよろしいでしょうか」とすると、相手に判断を委ねる余地を残すことができます。
ただし、以前お話ししたように、「いただく」の連呼になったり、回りくどくなったりする場合もあるので、相手の方や状況に合わせて使いましょう。
また、「~していただけないか」という言い方もあると思います。
→ 「恐れ入りますが、少々お待ちいただけないでしょうか」
こちらは状況によっては「~してくれないの?」と強く言っているように捉えられる場合があります。
「それぐらいやってくれてもいいじゃないか」と押し付けがましい印象を与えてしまうこともあるので、注意が必要です。